少し前に「45歳定年説」が話題となりましたが、私はまさに45歳で人事・経営コンサルタントとして独立しました。実際に私が独立して感じる点は以下の3つです。
- 自分のペースで自由に働ける
- 自分のやり方で自由に働ける
- 自分で仕事を選択できる
自分のペースで自由に働ける
まず初めに、良くも悪くも40歳を超えると自分のペースができます。これは決して悪いことではなく、当たり前のことで、おそらく多くの方が同じではないでしょうか。
心理学者のユングは「40代は人生の正午」と名付けました。つまりキャリアの折り返し地点です。キャリアの終わりも意識し始め、自分の時間は自分のペースで進めたい、私自身は強くそう思うようになりました。
引用:ユング心理学の世界へようこそ
特に組織が大きくなればなるほど、自分のペースと合わない部分が多く発生します。早く意思決定して早く行動したいと自分が思っても、遅々として進まず、もどかしい経験をしたことは多くの方が経験することだと思います。逆に丁寧にじっくり取り組みたいことも「とりあえず」や「スピード重視」といった言葉を使って拙速な対応になってしまうこともあります。
正解はないものの、経験上、個人の立場からは、年代が上がるに従い、巧遅拙速の勘所が組織とずれてしまい、ストレスフルな働き方になるように感じます。この点に関しては独立することで解消され、今では自分が大事にすることを自分のペースで働けるようになりました。
自分のやり方で自由に働ける
2番目に、40歳を過ぎると自分のやり方もできてきます。これは決して悪いことではなく、当たり前のことで、おそらく多くの方が同じではないでしょうか。
ビジネスの経験が20年近くになると過去の経験も蓄積されます。経験から生まれる仕事のスタンス、進め方、重要視するポイントなど良くも悪くも自分らしさが出来上がってきます。40歳になった自分も中間管理職となり、自分と組織のやり方の齟齬に戸惑うようになりました。効率と品質のバランス、仕事の大義名分の在り方、コミュニケーションの取り方、トップダウンとボトムアップ。組織で仕事をしているうちに自分の正義も芽生え始めます。
もちろん正解はないものの、自分の人生は自分で決める、そして仕事のやり方も自分で決める。私は独立したことで、自分のスタンスで自分らしく仕事ができるようになりました。
自分で仕事を選択できる
最後に、40歳を過ぎると自分のやりたいこともみえてきます。これは決して悪いことではなく、当たり前のことで、おそらく多くの方が同じではないでしょうか。
残りの人生をどう生きるか。40歳を過ぎた私もそんなことを考え始めました。20代の時は、右も左もよく分からず(当時は分かった気でいましたが…)何も考えずに目の前のことに無我夢中でした。40代となり経験値も上がってくると、何となく自分はこんなことができる、やりたいことはこんなこと等、やりたいことの解像度が上がってきました。そういえば、私が新入社員のころ、取引先の担当者からこんな話を聞きました。
「キャリアの在り方は、VSOPだ」
- 20代:Vitality
- 30代:Specialty
- 40代:Originality
- 50代:Personality
つまり40代になるとOriginalityが出てきて、自分らしく自分なりのエッセンスを加えながら仕事ができるようになるのかもしれません。(できているかは別ですが)ただ、組織にいると現実は違います。当然、組織にいるといろんな仕事を任されます。異動もあります。自分の幅を広げるという意味は良いことだとは思います。ただ、残された時間を考えると、ある程度専門性をもって自分の価値を最大化したいと考えるようになりました。そして私は独立することでこの点も手に入れることができました。
独立して思うこと
以上の3つが私が独立してみて良かった点です。
そして、私は人事経営コンサルタントとして「人が働くを謳歌する社会を創る」を理念としています。最終的にはこの理念の実現が独立の目的です。
引用:ナラティブ人的資本研究所
自動化や標準化によりオペレーションの効率化が実現すると、もはや企業の競争戦略の源泉は人と組織になります。これからは、人の力を最大化することで企業の価値を上げる時代になりそうです。
何はともあれ、まだまだ、課題も多いですが、それはそれで楽しいです。当然すべての人が独立すべきとは思いません。ただ40歳を超えて自分の旗を振りながら自分のペースで仕事をするのも悪くない選択肢のひとつです。この先、どうなるかは分かりませんが、今のところ私は独立して良かったと実感しています。
ナラティブ人的資本研究所
代表 堺 孝善
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